ポストバイオティクス®

ポストバイオティクス®

腸内細菌が産生する機能性代謝物

ヒト腸管には100兆を超える腸内細菌が存在しており、宿主が代謝できない食物を分解し、乳酸や酢酸、アミノ酸、ビタミンなど重要な栄養素や生理活性物質をつくりだしています。これらの物質は代謝物「ポストバイオティクス®」と呼ばれ、宿主の生命恒常性に重要な役割を果たしています。その中でも、わたしたちは脂質と炭水化物(糖質)の代謝物研究に注力しています。 脂質に関しては、腸内細菌が腸内で産生する脂質代謝物をオリジナルの化合物ライブラリーとして構築しており、新たな治療基盤の確立を目指しています。 炭水化物に関しては、腸内細菌が産生する難消化性の食物繊維である菌体外多糖(EPS)の精製とその機能性を解明する研究を推進しています。

腸内細菌脂質代謝物「HYA®

HYA®(10-hydroxy-cis-12-octadecenoic acid)

HYAは植物油脂の主要成分であるリノール酸が腸内細菌による代謝を受けて生成される機能性脂肪酸で、肥満やインスリン抵抗性を改善する作用、腸管バリア保護など、様々な生理活性が認められています。腸内細菌は食事由来の脂質を利用してHYAを腸内で産生しており、チーズや漬物、味噌などにも微量ながらその存在が確認されています。このように身近な存在であるにもかかわらず、これまでその機能については、ほとんどわかっていませんでした。わたしたちは、新規の機能性素材として、HYAをはじめとした腸内細菌脂質代謝物の研究開発をアカデミアとの科学的連携により進めています。

難消化性食物繊維「ロイコサッカライド®

LEUCOSACCHARIDE®

ロイコサッカライドはわたしたちの微生物ライブラリーのひとつ、ロイコ菌がつくりだす菌体外多糖で、スクロース(ショ糖)を資化してつくられる腸内細菌由来の特殊な難消化性食物繊維です。これまでに腸管粘膜の免疫力を高めるIgA抗体の分泌を促進する作用や慢性皮膚疾患「乾癬」の症状を軽減する作用が確認されています。また、他の食物繊維と比較して多量の短鎖脂肪酸を腸内でつくらせる働きがあり体重の増加を抑制する作用も見出されています。ロイコサッカライドには免疫力を高めるだけでなく、肥満などの生活習慣病に関連する疾患の予防につながる可能性があり、新規の機能性素材として展開できるよう研究開発を推進しています。