菌の代謝物事業

菌の代謝物事業

ヒトの体外で菌代謝物をつくりだす、
私たちの新たなチャレンジです。

菌代謝物って何でしょうか。ヒトの腸内には非常にたくさんの微生物(腸内細菌)が存在し、ヒトが消化できないものを分解して利用しやすくしたり、ヒトの体に有益なもの、例えば乳酸や酢酸、アミノ酸、ビタミンなどをつくりだしたりしています。これらの物質を代謝物(メタボライト)と呼びます。私たちは有益な菌代謝物を新たにみつけだし、それを発酵技術で大量生産するポストバイオティクス事業に、いまチャレンジをはじめました。ここで生みだされる菌代謝物は医薬品原料として活用するのはもちろんのこと、食品原料やサプリメント、特定保健用食品などとして、“製薬会社品質”とともに広くお届けしていく計画です。

乳酸菌の代謝作用でつくる世界初の脂肪酸「HYA」

新規機能性脂肪酸 HYA

私たちのポストバイオティクス事業の第一号として研究開発がすすんでいるのが、世界で初めて乳酸菌の代謝を利用して生産される新規機能性脂肪酸「HYA」です。HYAは植物油に含まれるリノール酸から乳酸菌の酵素反応でつくりだされるもので、京都大学の小川順先生らが発見され、私たちはその事業化に取り組んでいます。HYAには腸管の炎症を抑える効果が、動物を用いた試験において確認されています。ひょっとすると食べても太らないケーキやチョコレートが誕生するかもしれません。

脂肪酸「HYA」の研究開発がNEDO助成事業に決定

HYA試作研究棟

HYA製造に使用する培養タンク

新規機能性脂肪酸「HYA」の実用化開発は京都大学との共同申請により、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の2015年度助成事業に採択されました。これはHYAが持つ従来にはなかった働きと可能性に大きな期待が寄せられた結果です。私たちはこの支援事業を通じて特定保健用食品申請へのデータ取得を行っており、数年後には特定保健用食品や機能性表示食品などとしての販売をめざしています。

エンドウマメから発見された乳酸菌が生みだすロイコサッカライド

ロイコサッカライド

乳酸菌の代表的な産物として実用化が期待されるのが、私たちの乳酸菌ライブラリーの中のひとつ、ロイコ菌がつくりだす独特のネバリを持った多糖「ロイコサッカライド」です。まだマウスを用いた動物実験の段階ですが、腸管粘膜の免疫力を高めるIgA抗体の分泌を促進し(石川県立大学との共同研究)、免疫機能の異常によって引き起こされる慢性皮ふ疾患「乾癬」の症状を軽減することが確認(広島大学との共同研究)されました。また、肥満を抑制する効果も判明(東京農工大学との共同研究)しており、ヒトにおいても免疫バランスを整えたり、生活習慣病の予防につながることが期待されます。私たちはロイコサッカライドの早期実用化をめざすとともに、これからもロイコ菌およびロイコサッカライドが持つ有用性の研究に取り組んで応用分野の拡大を探っていきます。